報告日2021年11月30日

壱岐市立郷ノ浦中学校で「ようこそ サイエンスの世界へ ~ ダイバーシティ入門講座付き実験体験会~」を実施しました

開催日2021年11月25日(木) 場所長崎県壱岐市立郷ノ浦中学校

2021年11月25日(木)にSTEAMガールズin SAGA・SASEBOの一環として、壱岐市立郷ノ浦中学校にて同中学3年生を対象に、『ようこそ サイエンスの世界へ ~ ダイバーシティ入門講座付き実験体験会~』が実施されました。

 

「文理選択って、進路って、仕事ってどうやって決めたらいいの?」「数学や理科を仕事にする楽しみってなんだろう?」と進路選択に迷っている生徒に、講座や実験体験会を通じて、将来の進路選択について考え、理系分野への親しみをもってもらうことを目的としています

 

今回は、壱岐市立郷ノ浦中学校3年生90名(女子46名・男子44名)、教員7名 合計97名が参加し、1つの講座と2つの実験体験会をそれぞれ体験しました。また、スタッフとして佐賀大学より教員1名・事務1名・大学生1名、長崎国際大学より教員2名・コーディネーター1名が参加しました。

教室①の講座では、ダイバーシティ入門講義および大学生による学生生活の紹介がありました。ダイバーシティ入門講義では、佐賀大学ダイバーシティ推進室の荒木副室長より、AIとロボットの技術が発達する現代においてこれからの社会で求められる働き方、ダイバーシティについて具体的な事例を交えての説明、進路選択についてのお話などがありました。続いて、佐賀大学と郷ノ浦中学校をオンラインで接続し、理工学部電気電子工学科4年の小石原あすかさんと交流しました。小石原さんからは、中・高校生時代の話、大学生活のプライベートの話や研究内容について説明がありました。生徒の皆さんにとって少し先の未来である大学生の話は興味関心が高かったようで、最後までしっかり話を聞いていました。

 

教室②では、長崎国際大学人間社会学部の橋本健夫教授が実験体験会「風船をまっすぐ飛ばそう!」のテーマで演習を行いました。演習で用いた「細長い風船(ペンシルバルーン)」をまっすぐ飛ばすことは非常に難しいものです。初めに、生徒達は少し離れたところにある輪に向けて、実際にバルーンを投げて、輪の中を通すことができないことを体験します。そして、まっすぐ飛ばすにはどうするかを考え、意見を出し合った後、ペンシルバルーンに紙の重りと4枚の翼をつけてバルーンロケットを制作しました。制作後、それを飛ばすと、まっすぐに進むことを生徒は確認した後、最初に通すことができなかった輪に向けて投げ、見事に輪の中を通すことに成功しました。この体験から、生徒たちは「物体は回転することによって直進する。」ことを発見しました。
 

                   

教室③では、長崎国際大学薬学部の小川由起子教授が実験体験会「体の中のウイルスを検出してみよう!」を行いました。コロナウイルス抗原に対する抗体が固相化されたプレートを用いて、未知検体の検査を実施しました。検査結果が出るまでの時間を利用し、コロナウイルスの特徴やワクチン、ウイルスの検査方法についての解説があり、抗原検査の仕組みを学習しました。その後、各自で行った検査の結果を確認し、コロナウイルスに感染しているか否かを判定しました。コロナ禍において、ウイルスへの関心は高く、生徒達は真剣な表情で講義を聞いていました。

                  

参加した生徒の皆さんからは、「とても分かりやすく、それぞれの講座が楽しかった」「大学生の話で自分の進路が増えた」「不安だった高校や大学生活の事を知ることができ、参考になった」「具体的な「科学」について知ることが出来た」など、様々な感想を頂きました。理系の魅力や、自身の進路について考えるよい機会になったようでした。

ご参加いただいた中学生の皆さん、また、ご協力・ご共催いただきました壱岐市立郷ノ浦中学校の先生方に心より御礼申し上げます。
このプログラムは、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)からの受託事業「女子中高生の理系進路選択支援プログラム」の助成を受けて実施しています。長崎国際大学・佐賀大学・西九州大学は、中高大接続の一環として、女子中高生の科学・ものづくりへの興味を促し、自分自身のキャリアデザインを考える場を提供していく「継続・育成型STEAMガールズin SAGA・SASEBO」を展開していきます。