報告日2025年9月30日

”女子中高生のための 今知りたい!理系進学で広がる未来 リケフェス2025”を実施しました

開催日2025年9月28日(日) 場所佐賀大学本庄キャンパス 理工学部6号館

 2025年9月28日(日)に、佐賀大学本庄キャンパス理工学部6号館において、佐賀大学・久留米工業大学・西九州大学・長崎国際大学・佐世保工業高等専門学校の共催で、「女子中高生のための 今知りたい!理系進学で広がる未来 リケフェス2025」を実施しました。

 5機関が合同で実施する本イベントは、シンポジウム(基調講演・トークセッション)、学校別相談会、実験体験会を通して、将来の進路選択について考え、理系分野への親しみをもってもらうことを目的としています。

 今年度の参加者は、中学1年生28名、中学2年生22名、中学3年生10名、高校1年生15名、高校2年生11名、高校3年生7名、保護者・教育関係者等42名 合計135名でした。また、スタッフとして各大学・高専から、教職員・学生56名が参加しました。

基調講演「理系女子の未来と可能性~理系の道に進んだことで広がった未来~」

 基調講演では、佐賀大学農学部の卒業生でハウス食品株式会社開発研究所の桐明佑衣(きりあけ ゆい)氏が登壇しました。「理系女子の未来と可能性~理系の道に進んだことで広がった未来~」をテーマに、これまでの経験やキャリア展望についてお話があり、参加者にとって大きな刺激となりました。講演最後、桐明氏から女子中高生に向けて、「ワクワクする毎日に!後悔のない選択を!」と力強い応援メッセージがありました。

兒玉浩明佐賀大学長による開催挨拶
基調講演の様子
講演中の桐明氏

トークセッション「見つけて私のロールモデル!」

 続いて開催したトークセッションでは、ファシリテーターとして荒木薫ダイバーシティ推進室副室長、パネリストとして各大学・高専の女子学生5名、引き続き桐明氏にもご参加いただき、全7名が登壇しました。効果的な勉強方法、進路の決め手や、将来やりたいことなどをテーマにトークセッションを行いました。トークセッションの終わりには、実験体験会担当教員による自己紹介を行いました。

トークセッションの様子1
トークセッションの様子2
実験体験会担当者の紹介

学校別相談会

 学校別相談会では、現役学生と教職員が質問や相談に対応しました。試験や学費、入学後の学生生活などなど、参加者のみなさんが気になっている質問にお答えしました。

久留米工業大学
西九州大学
長崎国際大学
佐賀大学
佐世保工業高等専門学校
 

保護者対象ワークショップ

 昨年も好評だった保護者向けの企画として、「元小学校教員が教える!親子の関係アップデート!」を開催し、約30名の参加がありました。
 元小学校教員でもある浦郷淳先生(長崎国際大学)が進行を担当し、女子大学生・院生3名とともにワークショップを実施しました。前半は、お子さん(中高生)との関わり方のヒントとするために、女子大学生・院生3名が、中学・高校時代の親とのエピソードや経験談について語りました。後半は、参加者同士(保護者)で意見交換をしたり、保護者から提出してもらった現在の困り事や質問(例えば、「部活動と学業の両立」「将来の職業選択」など)に対して、ひとつひとつに登壇者全員で回答しました。

保護者対象ワークショップ1
保護者対象ワークショップ2
 

実験体験会

 毎年大好評の実験体験会。今年は5つの実験を行いました。
 どの実験も、初学者でも楽しく学べるように工夫されており、教職員・学生による手厚いサポートのもと、参加者は事前に選択した2つの実験を体験しました(1実験は約80分)。

実験A:小さなコンピューターの音楽会
 久留米工業大学 池田 雄一郎先生、河野 央先生
実験B:アプリでカウントダウン
 佐世保工業高等専門学校 佐藤 直之先生、松山 史憲先生
実験C:ロボットが連れていく!センサーの世界
 西九州大学 小形 幸平先生、安田 みどり先生
実験D:レジンアート 徹底解剖!
 長崎国際大学 小川 由起子先生、川嵜 達也先生
実験E:香りの不思議~かんきつの多様性~
 佐賀大学 古藤田 信博先生

実験A 小さなコンピューターの音楽会(久留米工業大学)

 マイコンにプログラムを書き込み、音楽を奏でる体験をしました。パソコン上のソフトで、音階・音の長さ・オクターブ等を調整してオリジナル曲を作成し、マイコンに書き込めば完成です。実験会場では、マイコンからオリジナル曲がそこかしこから流れていました♪

池田先生の説明
基盤中央がマイコン
PCで音階・音の長さ・オクターブ等を調整後、PICKITでつなげて、曲をマイコンに書込中!

実験B:アプリでカウントダウン(佐世保工業高等専門学校)

 ゲーム開発やアプリ開発などに使用される「Unity」を利用して、スマホ用のカウントダウンアプリを作成しました。画像や音は自分の好みのものを使用して、オリジナルアプリを完成させました。

佐藤先生の説明
画像データと音を調整中
分からない時は教えてくれます!

実験C:ロボットが連れていく!センサーの世界(西九州大学)

 ロボット3種(Sphero BOLT、レゴロボ、カムロボ)を動かすプログラミング体験を行いました。ロボット搭載センサーの取得したデータ(カラーや光など)の調整が難しかったようですが、命令通りにロボットが動くと歓声があがっていました。カムロボが動く様子はこちら(動画)

小形先生によるセンサーの説明(Sphero BOLT)
ロボットでプログラミング体験(レゴロボ)
ロボットでプログラミング体験(カムロボ)

実験D:レジンアート 徹底解剖!(長崎国際大学)

 樹脂(レジン)が紫外線で硬化する際の化学反応(光重合反応)について学び、オリジナルレジン作品を作成しました。UV機器の使用待ちの間やレジンを固めている間、透過顕微鏡を用いて細胞切片を観察して楽しみました。

小川先生の説明
好みのパーツや花などを使用
完成したレジン作品
透過顕微鏡で細胞切片を観察中
きれいに見えました!
 

実験E:香りの不思議~かんきつの多様性~(佐賀大学)

 カンキツ(ミカン科植物)には遺伝的形態的な多様性があり、香りの世界にも多様性があることを体験しました。蒸留装置を用いてかんきつの皮から精油を抽出し、抽出した精油の香を確認したり、クロマトグラフィーでアロマの成分分析を行いました。

古藤田先生の講義
実際に試食して香りや食味の違いを確認
蒸留装置でアロマを抽出

今年も盛況のうちに終了しました(感謝)

 リケフェス2025終了後のアンケートでは、女子中高生からは「進路で悩んでいたが、基調講演やトークセッションでお話を聞いて進路選択の参考になった」「実験体験があったことでより興味が持てたし、とても楽しかった」、「教えてくれる人がたくさんいてにぎやかで、楽しく学べた」、「(実験体験会で)プログラミングの難しいイメージが変わった。やってみると面白かった。」、保護者からは「自分では子に教えてあげられない理系のことが分かった。また、我が子の進路の選択肢が広がったと思う」「保護者対象ワークショップでの子どもへの関わり方についてとても参考になった」などの感想が寄せられました。

 ご参加いただいた中学生・高校生・保護者の皆さまに心より御礼申し上げます!

 このプログラムは、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)からの受託事業「女子中高生の理系進路選択支援プログラム」の助成を受けて実施しています。佐賀大学・久留米工業大学・西九州大学・長崎国際大学・佐世保工業高等専門学校は、中高大接続の一環として、女子中高生の科学・ものづくりへの興味を促し、自分自身のキャリアデザインを考える場を提供していく「継続・育成型STEAMガールズ コンソーシアム」を展開していきます。